脂肪吸引の器械ってどれがいいの?
痩身・ダイエット
脂肪吸引の施術を受けるにあたって、クリニック選びって重要ですよね。脂肪吸引と言ってもクリニックによって施術の方法や使用する機器は様々です。今回はクリニックの比較にもお役に立てる脂肪吸引の機器についてご紹介します。
スマートリポレーザー
別名「脂肪溶解レーザー」とも呼ばれている機械です。脂肪を物理的に吸引で除去するのではなく、直径1㎜以下の極細なファイバーを挿入し、そこからレーザー(pulsed YAG)を照射し脂肪の細胞膜を破壊します。そして破壊された脂肪細胞がマクロファージに貪食されることによって、徐々に痩身効果が得られます。若しくは、カニューレを用いた脂肪吸引の為の準備(脂肪を吸引しやすい状態にする)としてレーザーを用いることもあるようです。
この方法のメリットは局所麻酔下で、短時間で施術が完了する点や、極細のファイバーを使用する為傷跡が目立ちません。デメリットとしては、効果が出るまでに時間がかかる(死細胞が自然に吸収されるのを待つ為)点と、皮膚から1㎝までの部分にしか使用できないことや死んだ細胞が吸収されにくい場合もあり、大きな効果が得にくいという点があります。
ボディジェット
前回トゥメセント法についてご紹介しましたが、ボディジェットはこのトゥメセント法に用いるトゥメセント液(麻酔や止血効果のある薬剤を含む生理食塩水)をジェット水流で噴射することでより脂肪層により浸透させられる機械のようです。この機械が登場する前は、EUA法(皮膚表面から超音波をあてて脂肪を柔らかくする)やUAL法(カニューレ自体を超音波振動させて脂肪を柔らかくする)という方法が採用されており、これらは強すぎる超音波による熱傷のリスクがあったのに対して、ボディジェットは熱傷のリスクがないというメリットがあります。
またカニューレ自体の摩擦による体のダメージも軽減されるところもメリットのひとつです。デメリットとしては、ボディジェットのみでは、繊維質な脂肪や細胞の密度が高く硬い脂肪を柔らかくするほどの威力はないところです。つまり、上腹部や肩周りの脂肪吸引には不向きでという点です。
ベイザー
こちらもトゥメセント液を用いる方法で、トゥメセント液を注入後、脂肪を吸引する際にカニューレの先からベイザー波という超音波を出して脂肪を柔らかくしてから吸引する機械です。具体的にはキャビテーションという現象を利用した方法のようです。液体に超音波振動がかかると、圧力が高まったり弱まったりが繰り返されます。負圧時に液体が引き裂かれて空洞が生じ、その後正圧時にその空洞が圧縮消滅します。この現象をキャビテーションと言います。船のスクリューに生じる泡もこのキャビテーションによる現象です。実は、この生じた泡が正圧時に消滅する瞬間、非常に強い衝撃波を発することが分かっています。
トゥメセント液を注入した脂肪組織にベイザー波をかけると、その衝撃で肥大化し老いた脂肪細胞は破壊され、若い脂肪細胞のみがトゥメセント液に浮遊するようすることができます。このようにして、浮遊した脂肪細胞を刃の無いカニューレで吸引することで、索状組織のダメージも少なく吸引後のタイトニング効果も期待できるということです。キャビテーションは熱を伴わない現象ですので、ベイザーでは熱傷のリスクは低いようですが、可能性が0ではないようです。
その他
カニューレの先からジェット水流やベイザー波を発する機械をご紹介しましたが、勿論吸引するだけの機械も存在しますし、シリンジを用いて手動で吸引する方法もあります。因みに脂肪注入の豊胸でよく耳にするコンデンスリッチファットの吸引器は吸引するだけの機械です。吸引後の脂肪を注入に使用する場合は、脂肪により負担のない吸引器を選ぶ医師が多いようです。
さて、今回は機械の特徴をご紹介してきましたがいかがだったでしょうか。今回紹介できなかった機械や新しく登場した機械もたくさんあると思います。それぞれの機械に一長一短が存在しますので、施術前に確認してみてください。しかし、機械の特性をきちんと理解している医師が使用すれば、そのリスクは最小限に抑えることが可能であることも事実です。機械にこだわり過ぎる必要もないと思いますが、参考程度にクリニック選びに役立ててみてください。
- ツイート
-
LINE!