脂肪豊胸でしこりができる?検査でバレたりしない?
美バスト・豊胸
脂肪注入の術後の合併症としてよく取り上げられるのが“しこり”です。しこりと言っても乳がんのような悪性腫瘍の“しこり”とは違いますので、ご安心ください。
しこりの正体とは?
脂肪注入後に形成される“しこり”と呼んでいるものの正体は“死んだ脂肪”です。脂肪注入術は、脂肪吸引して得られた脂肪を移植する施術ですが、脂肪吸引では細いカニューレと呼ばれる器具を用いて脂肪細胞を血管から切り離して採取してくる為、脂肪細胞はダメージを受けています。
また、移植された脂肪は血管が繋がることで、栄養と酸素が供給されるようになり生きていくことができますが、全ての細胞が生き残れるわけではなく、血管が繋がる前に一部は死んでしまいます。この死んでしまった脂肪は、基本的には体が吸収する為残りませんが、一定の大きさになると死んだ脂肪の周りを被膜で覆い自身と区別しようとする身体の反応が起こります。そうしてできたものが、しこりの正体です。死んだ脂肪がオイル化する為 Oil cyst(オイルシスト)、または嚢胞(のうほう)とも呼ばれます。因みに“石灰化”とは、この被膜の周りの組織で炎症が起きてカルシウムが沈着したものを言います。
しこりをつくらない方法
しこりを絶対につくらない方法はあるのか?という質問が聞こえてきそうですが、答えは残念ながら「NO」。絶対にと言い切れるものはないと思います。しかし、最小限に抑える方法はありますのでご紹介します。現代脂肪注入の基礎を作った「Coleman法(構築的脂肪移植)」と言うものがあり、そのポイントは下記の3点です。
- ① 脂肪注入の際には、乳腺内には注入しない。
- ② 注入する脂肪は、0.2ccずつの小さな塊として注入する。
- ③ 注入する組織は、乳房の脂肪層を主体とする。
「しこりをつくらない」=「塊で脂肪を死なないようにする」と考えると分かりやすいかもしれません。そう言った意味で、脂肪注入に関して、脂肪細胞に早く血管が繋がるように、血管新生を促す為に幹細胞や因子を添加したり、死にかけの細胞を除去したりと言った様々な技術が開発されているわけですね。
これら以外にも、注入脂肪の生着には圧力の影響も大きいと言われています。つまり無理やり大量の脂肪を一度に注入すると、大きな胸をつくるどころか、注入脂肪の生着を妨げ、ボリュームも残らず、しこりが出来るリスクが増大しますのでご注意ください。
レントゲンなどの検査で豊胸したことがバレる?
しこりを防げないとすると病院での検査などで豊胸がバレるのではないか、と心配になった方もおられるかもしれません。
注入された脂肪は生着すれば身体の組織の一部となりますので、レントゲンで元の脂肪組織と注入した脂肪組織を見分けることは難しいです。しかし、脂肪注入によって生じた小嚢胞がレントゲンに写りますので、判別できます。超音波検査(エコー)では、レントゲンよりも細かく部分的に観察できるので、レントゲンより判別しやすいと言えます。また本来脂肪のつきにくい場所に脂肪が生着しているといったことからも、脂肪注入を行ったことは判別されることもあります。
脂肪注入によってできる小嚢胞が見分けられるという事実は医学の進歩による良い結果です。脂肪注入をするとがんと見分けがつかず、がんを見つけられないといった時代もあり、当時はこのことが脂肪注入による豊胸のデメリットのひとつとされていました。とは言え、検診を受ける際は必ず豊胸手術のことを申告して受診することをお勧めします。
近年、脂肪注入による小嚢胞と、がんの見分けはつけられるとは言われているものの、診断の際に予備情報があることに越したことはありません。健康があってこそ、素敵な胸で素敵な生活が送れることをお忘れなきようお願い致します。
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